『緋色の研究』 (ひいろのけんきゅう, A Study in Scarlet、1886年に執筆され、翌年発表) は、アーサー・コナン・ドイルの小説。最初のシャーロック・ホームズシリーズ作品。
ホームズとワトスンの出会いと、その後起こる殺人事件を描く。事件の捜査が行われた、第一部「医学博士、元陸軍軍医ジョン・H・ワトスンの回想録の翻刻」と、犯行に至った歴史が導かれる第二部(無題)の二部構成。
原題は "A Study in Scarlet" であるが、この study をどのように訳すべきかの論争がある。最初にシャーロック・ホームズシリーズ全編の翻訳を刊行した新潮社が『緋色の研究』としたことでこの題名で定着しているが、ここでの study は「スケッチ」や「論文」に近い意味ではないかという意見がある。事実、後に翻訳を刊行した河出書房の版では『緋色の習作』としている。
モルモン教への言及について
この作品はモルモン教の末日聖徒イエス・キリスト教会が一夫多妻制を放棄した1890年よりも前に書かれた。 モルモン教徒は現在では一夫多妻を教会としては認めていない。脱会、あるいは分派した元信者により現在も正確な数は不明であるが、一夫多妻を続けているといわれている。 本編中でのモルモン開拓者やブリガム・ヤングに関する記述は相当な誤解と偏見を含んでおり、現在もなお多くの部分では修正されていない。ジョセフ・スミス・ジュニアによって創設された当時のモルモン教には確かに過激な面があり、ブリガム・ヤングらの努力でそうした部分は是正されていったが、当時のヨーロッパにはまだ強い誤解が残っていたのである。
第一部
第一部はワトスンの回想の形で始まる。医学博士ジョン・H・ワトスンはイギリス軍の軍医としてアフガニスタンの戦場に赴くが、左肩に重傷を負い(後の作品では負傷したのは脚となっており、ホームズシリーズの謎の一つ)、イギリスに送還された。為す事もなく過ごしていると、かつて助手をしていた男からシャーロック・ホームズという特異な人物を紹介され、ベーカー街で共同生活を開始する。初対面にも関わらず、ワトスンが負傷してアフガニスタンから帰ってきたことや、見も知らぬ男の前歴を言い当てたホームズの観察力と推理力は、ワトスンを驚かせる。共同生活を始めてまもなく、ホームズの元にスコットランド・ヤードのグレグスン刑事から殺人事件が発生したとの手紙が届き、ホームズはワトスンを連れて現場に向かう。グレグスンとレストレイド刑事は難事件にお手上げの様子。殺されていたのは立派な服装の中年男で、イーノック・ドレッバーの名刺を持っており、壁には「RACHE(ラッヘ。ドイツ語で復讐の意)」と血で書かれた文字があって、女の結婚指輪が落ちていた。ホームズは綿密な現場検証をして、被害者が毒殺されたことや犯人の人相・特徴を推理し、第一発見者の巡査に事情聴取をしたりと、次々に捜査を進めたうえ、新聞に結婚指輪の拾得記事を出す。指輪を使って犯人をおびき出そうというのだ。予想通り指輪の受取人が来るが、ホームズが推理した赤ら顔の大男ではなく、老婆であった。しかもその老婆を尾行したホームズは見事に巻かれてしまう。一方グレグスンは、ついに犯人を逮捕したと得意満面であった。彼が捕らえたのは、ドレッバーが秘書のスタンガスンと共に下宿していた家の女主人の息子である海軍将校だった。事件前日、ドレッバーがそこを引き払う際にその家の娘を無理やり連れ出そうとし、兄であった海軍将校に叩き出された事実があったのだ。それが犯行の動機だとグレグスンはホームズに言うが、続いてやって来たレストレイドが、秘書のスタンガスンが宿泊先のホテルで刺殺死体で発見されたと伝える。ホームズは、準備万端整えた上で辻馬車を呼ぶ。何事かといぶかしむワトスン、グレグスン、レストレイドの前で、入ってきた馭者にあっという間に手錠をかけ、目を輝かせてこう叫んだ、「諸君!イーノック・ドレッバーおよびジョゼフ・スタンガスン殺害の犯人、ジェファースン・ポープ氏を紹介しましょう!」と。
第二部
第二部は、一転してこの事件の裏に潜む過去の深い因縁が語られる。北アメリカ内陸部の砂漠。ジョン・フェリアと孤児のルーシーは迷って死に掛けたところを、ブリガム・ヤングに率いられた移動中のモルモン教徒の集団モルモン開拓者に救われる。彼らはソルトレイクシティ(末日聖徒イエス・キリスト教会本部)を建設し、ジョン・フェリアは郊外で一生懸命働き、やがて屈指の富豪になった。また彼はルーシーを養女にして実の娘のようにかわいがった。成長したルーシーは、並ぶ者の無い美しい少女となったのである。ある日ルーシーは、旅の青年ジェファースン・ホープと出会い、彼の実直さと強さに引かれた。ホープも彼女に好意を持った。父ジョンは二人の結婚を認めた。ところが、一時ホープが町を去った時、モルモン教の指導者ブリガム・ヤングはルーシーに青年ドレッバーかスタンガスンとの結婚を命令した。指導者に背けば命は無い。ジョンは町からの脱走を決意し、ホープを呼び戻す。土地勘のあるホープに導かれ、人跡未踏の荒野を踏破する。ここまで来れば安心と、つい気を抜いたホープの裏をかくようにドレッバーとスタンガスンの一隊が襲い、ジョンを殺害、ルーシーを奪って去った。彼女はドレッバーと結婚させられるが、意に沿わぬ結婚に程なく病死、葬儀の場に飛び込んだホープは彼女の指から結婚指輪を抜き取って去る。以後、ドレッバーとスタンガスンは執拗に命を狙われる。彼らはソルトレイクシティを離れ、アメリカ国内からヨーロッパを転々としてホープの追跡から逃れる。しかしホープも超人的な執念で彼らを追った。年月がたち、彼らはロンドンに来る。そこでついに件の殺人事件に至ったのであった。下宿を追い出されたドレッバーは辻馬車を拾う。この馬車こそ、ホープが二人を追うために馭していたものだった。ホープはドレッバーを空き家に連れ込み、毒薬の決闘を挑む。彼は自分の復讐を神の手にゆだねたのだ。毒入りとそうでない丸薬を用意し、両者で同時に飲み込み、毒入りに当った方が死ぬという方法である。そしてホープが勝った。結婚指輪はその時落としたのである。スタンガスンにも同じ方法を挑んだが、彼はいきなり襲いかかって来たため、やむなく刺殺したのだった。取り押さえられたホープはおとなしく縛につき、スコットランド・ヤードに連行され、以上のようないきさつをホームズ、ワトスン、刑事たちに語った。そして、長い追跡のため無理を続けて体を壊していたホープは起訴を待たずして獄死した。ホープを犯人と見破ったホームズの慧眼にワトスンは敬服し、しかし手柄をグレグスンとレストレイドに横取りされても何も言わない彼を見て、自分がホームズの活躍を記録して世に出そうと決心する(ワトスンの台詞で物語が締めくくられる正典は本作のみである)。
警察は、第1の殺人事件の現場であるBrixton houseの所有者から一度も事情を聞いていない。家の扉は施錠されていたのだから、第1の殺人事件の犯人は鍵を持っていたはず。そうなると前にジェファースン・ポープの馬車に乗ってブリクストン通りの空き家を見にきた客が鍵を持っていたということで、その客が第1の候補となるはず。
また、ジェファースン・ホープが、自分のキャブがベイカー街221B番地に呼び出されたとき、何の疑いも抱かなかったことも不自然である(彼は、同じ住所に老女に扮した友人を送り込んでいる!)。前日に、金のリングについての新聞記事を読んだ直後に、彼がその住所を忘れてしまうとは考えにくい。
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